TRT療法について

TRT療法は、耳鳴りをなくすのではなく、耳鳴りに気づかないようにさせるタイプの治療法です。比較的新しい治療法で、投薬治療で効果がなかった人の6~7割に効果があるといわれています。

この治療は「サウンドジェネレーター」と呼ばれる小型の機械を耳にかけ、耳鳴りよりもやや小さな音を流し続けるもの。耳鳴りの音を消すのではなく、慣らすことが目的になります。期間は長く、数か月程度装着していると耳鳴りが気にならなくなるという人から、数年装着してやっと気にならなくなったという人までさまざまです。

TRT療法の手順
まず、治療の第一歩としてカウンセリングが行われます。耳鳴りの治療にあたってカウンセリングは非常に重要なもので、いつ、どんな時に、どんなタイプの耳鳴りがするのかといったことから、ストレスの有無、生活習慣まで綿密に聞き取られます。

さらにその後、耳鳴りの起こり方、耳鳴りが起こる仕組みなどを説明されます。突発性難聴など急性の耳鳴り以外で、3か月以上症状が続いている、なおかつ耳鳴り症状が強い患者に対してTRT療法が選択されます。カウンセリングを通してTRT療法が耳鳴り軽減に有効かどうか慎重に判断するのが第一歩となります。

有効と判断されたら「サウンドジェネレーター」の操作方法を説明され、一日に何時間程度、どんな時に装着するのかなどを細かく指示されます。装着して一定の期間日常生活を生活をし、再度来院して使用感や不便な点、また効果などを詳しくカウンセリングしながら細かい調整をしていきます。このように、細かい確認をしながら耳鳴りが気にならなくなるまで装着し続ける必要があるため、機械の購入後は2週間に一度程度の頻度で通院の必要があります。

実施している医療機関も少なく機械が高額
TRT療法を実施している医療機関は全国でも200件前後と少なく、保険適用外なので自費で「サウンドジェネレーター」を購入することになります。購入費用は4万円~18万円ほど。医療機関を通さずに購入できる粗悪な機械も出回っています。信頼のおける医療機関で診察を受け、推薦されたものを使用するようにしましょう。